惑星の会合イベントを迎えたこの日は、波高く空は鉛色。

 私でなくとも、昼間からこんなでは夜空だってこりゃ駄目だと思ったことだろう。
 あまりの揺れに、久々に廊下や階段に、エチケット袋が配置されていた。


 それにしても寒い。
 毎朝朝食後にデッキを歩いているのだが、ウッカリ半そで半ズボンで外に出てしまい「寒くないの?」と聞かれて逆切れしたように「寒いよッ!ヾ(*`Д´*)ノ」と叫んでしまった。
 夏のはずなのに、涼しいを通り越してしまっている。

 毎日新聞局には、翌日の日の出日の入り時刻を記した書類が届くのだが、そこには気温と海水温も書き込まれている。それがエンセナーダを出た翌々日にはすでに20度を切りはじめていた。
 仕方なく、仕舞い込んだばかりの温熱下着、セーターなどを再び出しておく。
 エンセナーダでポンチョを買い込んでいた人は、今度は羨ましがられる番となった。
 そういえば、寒くなったからでもないだろうが、ピースボートセンターのPA機材が置かれている場所に、なぜか大きなソンブレロが置かれていた。そのうちまた何かに使うのかもしれない。

 夕方から始まる惑星の会合。火星、土星、金星、そして水平線近くに水星と三日月という魅力的な天文イベントは、船だからこそ見やすいだろうと掲載してもらったものの、結局分厚い雲に遮られて見ることはできなかった。
 天気はしょうがないと私は思ったが、他の人がその様子を気にしたらしく、仕切りと心配してくれた。
 実際、新聞片手に「やっぱり見えないですかね?」とたずねてくる人を見ると、何とも申し訳ない気分になったものである。