SSブログ

緑の海~ポーランド・グダンスクex~ [寄港地]

 船に戻ってから、私は新聞局で記事を書いていた。
 気が向いたときにしか記事を書きたがらない私だが、このツアーに関しては局長が引くほど押して記事枠をゲットしていた。具体的には「船内で発表されたツアーの記事ってまだないですよね?」といった勢いで。
 やがて、出航の時間になったので、私は一旦デッキに出てみた。

 グダンスク出航は18:00で、それでもまだ昼のように明るかった。
 舷側にタグボートがついたが、いつもと違う。
603x.jpg
 ヴェステルプラッテの港は狭く、オセアニック号では旋回が出来ないので、このタグボートが一隻で港の外までオセアニック号を引っ張っていくのである。
 後で聞いたが、こういったとき船は舵をとり後進をかけるだけで、あとはタグボート任せらしい。
603y.jpg
 船員さんによればタグボートの馬力は、そのままタグボートの所有会社の資産と比例するという。
 オセアニック号は大型客船の間に挟まってしまうとボートのようにしか見えないが、それでもかなり大きな船である。一隻で引っ張っていくとはかなりの馬力なのだろうか?

 グダニスクの海は緑色に濁っていて、お世辞にも綺麗とは言えない。
 ヴェステルプラッテの記念碑の周りには、今朝とは違って多くの人がいた。皆、こっちを眺めていて、手を振ってくれている人もいた。
 後部デッキには、星に関して私に散々質問し、全部答えたがために目を付けられたらしいオジサンがいた。
「いつも出航見ているのかね?」
「まぁ、大体は」
「こんなのと星ばかりみていると、ロクな人間にならんぞー」
 見に来ているアンタは何だ?星もそこそこ詳しかったぞ。

 新聞局に戻って、原稿の続きを書く。
 すると、記事レイアウト担当者がやってきたので、私は率直に今書いた記事の悩みを打ち明けてみた。
「400字くらいにしないといけないのに、4000字超えてしまった…」
「申し訳ありませんが、自分で縮めてください@@;」
 無論のこと自力で、多大なカットを経て原稿を字数内にまとめたものの、その記事は別の記事が急遽入ったために、日の目を見ることはなかった。

 さらに。
 連帯博物館で買ったピンバッジは、その日のうちに留め具が壊れて使い物ならなくなってしまった。
 意外なところで、社会主義時代のテイストを味わうこととなったのである。
603z.jpg
 それでも別に、がっかりではなかった。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。