時差が進む

　基本、69回クルーズは時差が発生すると1時間時計を戻していた。
　船が西へ西へと進んでいるからで、0時になってもまだ23時という素晴らしいものだった。

　しかし、バルト海をサンクトペテルブルクに向かって進んでいるうちは、船は東に向かっている。
　つまり、1時間時計を進めないといけなくなる。
　0時になったら午前1時になっているという恐ろしい状況が二日間も続いたのである。
「なんでこんな時差が二日も続くんだ！」
　という苦情がなぜか新聞局に来たが、新聞は時差の情報を提供しているだけで、時差を決めているわけではない。ということがわからないのだろうか…？