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ベルゲンの七人娘~ノルウェー・ベルゲン二日目・観光編~ [寄港地]

 ベルゲンの二日目は心地よい快晴。
 新聞局員で集まり、街を散策することに。
 ここでもまた新聞局長はなにやらのツアーリーダーに任命されてしまい、忙しいというか、ピースボートスタッフとは大変なものだとしみじみ認識した。

 さて集まって皆で街に繰り出す。と、いきなりの格差社会を目撃。
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 超巨大豪華客船が二隻、隣の港に停泊中。
 昨日、街に繰り出した新聞局員の一人は、この船に乗っている若い中国人の一団のパーティに誘われたという。小さい船を借り切っての豪華パーティだったとか。
 最近中国に増えてきた、富裕層の子弟たちなのだろう。

 その日は暖かく、市街地まで歩くだけで汗がにじむ。寒かろうと着てきたヒートテック下着を脱ぐわけにもいかず、コートを脱いで手に持って歩く。
 昨日の城郭公園を横目にしばらく歩くと、ブリッゲン地区に着く。
 出迎えるのは、バイキングの姿をしたトロールだ。
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 フィンランドのトロールといえばムーミンだが、こちらのトロールはだいぶん違う。これはこれでカワイイのかもしれない。

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 ブリッゲン地区は世界遺産となっており、ハンザ同盟時代の木造倉庫群である。この木造倉庫群は、今では土産物屋や若手の芸術家たちのオフィスやアトリエとなっている。
 ささっと見てから、とりあえず有名な魚市場に向かう。
 すると、日本語発見。
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 大阪から来たおっちゃんが店を出しているとのことで、写っている女の子はアルバイト。中国の子で、英語、日本語、中国語、少しだけ現地の言葉がわかるという。
 相手が日本人だから、サーモン、イクラ、キャビア、クジラ肉など、売り込んでくるものは日本人好みである。
 しかし、船に冷蔵庫があるのはスイートルームと厨房だけなので、ウッカリとナマモノを買い込むわけにもゆかぬ。

 ざっと見て、昼はここで食べようかということになり、またブリッゲン地区に引き返す。
 土産物は、ヘラジカやトナカイ系、それにトロールや北欧系のデザインモノ、白夜(沈まない太陽)、バイキングなどが主流だ。
 ちょっと変わった絵を見つけたので、店員さんの目を盗んで写真を撮る。
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 とはいえ、真ん中のマリリン・モンロー程度しかわからないのだが。

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 ブリッゲン地区は、木造倉庫群がずらり並んだ写真が有名だが、実は奥にも建物がある。
 階層も二階、三階、四階とあり、相撲取りが登ったら踏み抜いてしまいそうな木造の古い階段を登りつめていくと、だんだんと木と埃の混じった匂いが強くなり、やがて立ち入り禁止の札で行き止まりとなる。
 下の階層は販売など、見せる店舗やアトリエが多いが、上の階層はオフィスや描きかけの絵が並ぶアトリエが多い。
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 奥のほうに古い井戸があり、その前にユネスコの世界遺産認定プレートが掲げられていた。

 プレートのある広場から、改めてブリッゲンの木造倉庫群を見る。
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 出っ張った出窓のような場所は、その昔、干し鱈などの海産物を引き上げるリフトのようなものだったという。

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 この奥の広場回りにも、店舗が多く見られる。
 また魚市場に向かうとき、ふと上を見上げると、倉庫と倉庫の間はボロボロである。
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 世界遺産は昔ながらの技法で修復せねばならないそうだが、木造だけにしっかり補強しないと崩壊の危険もありそうだ。

 市街に出ると、鮮やかな観光用の車が目の前を走っていく。
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 とりあえず、横目に見ながら再び魚市場へ。

 大盛り魚介サラダを買うと、パンがついてくるとのことで、それに新聞局員の一人が買ったサラミをつけ、ビールなどで昼食を始める。
 このサラミは、相手が「Whale、Whale!(クジラ、クジラ!)」と言って売ってたのだが、そのラベルに描かれた絵はどう見てもシャチである。お味はなんともいえず、しかもスパイスが効きすぎている。クジラかシャチかと問われても、ほとんどの局員はクジラの味など知らぬ若者である。
 小学生の時にクジラの竜田揚げが給食に出ていた私とて、そのお味は遠い記憶の彼方である。まして、シャチもイルカも食したことは無い。

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 魚市場で買ったビールは、アルコール度数の低いライトビールである。
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 スズメと一緒に食事していると、ピースボートのWEBリポーター担当のカメラマンさんが、他のスタッフさんと登場。写真を撮らせてくれというので、これはWEBに載ってしまうかとドキドキしてしまったが、結局掲載されなかった。
 警察官ではないようだが、市場の監視をしている風の人がやってきて、私のビール瓶と他の人が持ってきた缶ビールを指差して何か言う。
 どうも、ノルウェーは公共の場所では、アルコール度数2.5%以上のものを飲んではいけないようである。そういえば、このライトビールのアルコール度数は2%程度だった。
 慌てて(胃の腑に)ビールを隠し、今度はフロイエン山の上まで行くケーブルカーに乗るべく、土産物の市場を見ながら再び通りを行く。

 少し坂を上がると、ケーブルカー乗り場に出る。値段は詳しく覚えていないが結構お高く、確か往復で日本円にして3000円くらいかと計算した覚えがある。なお、私の計算能力は著しく低いので、間違っている可能性は大である。
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 乗り場も、降りてきたケーブルカーも満員で、まるで休日のディズニーランドのごとき並び方。乗ってしまえば頂上まではあっという間で、雄大な眺めを満喫することができる。
 港のほうを見やれば、我らがオセアニック号と、かの豪華客船二隻が見える。
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 下から見ると、左の客船のほうが大きく見えたが、上から見ると右のコスタ系客船のほうが明らかに大きい。
 オセアニックは…「豪華客船と比べるな。人ではない、平和を運ぶ船なんだッ!」とでも言っておこう。
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 眺めは中々のもので、港湾都市ベルゲンを一望できる。
 このベルゲンは7つの山に囲まれており、その山々は「ベルゲンの7人娘」と呼ばれて親しまれているそうだ。フロイエン山も、その7人娘の一人である。
 下方に目をやると、ケーブルカーが登ってくるのが見えた。
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 山頂には公園やレストラン、土産物屋があり、公園にはトロールの像があって、子どもたちの人気の的となっている。
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 公園の横には登山道があり、下から延々と1時間かけて登ってきたという、ピースボートの若者たちが汗を拭きつつ話してくれた。
 子どもたちがいなくなったので、少し童心に返って公園やトロール像と遊びつつ、再び展望台へ。
 ほんの少し雲が多くなってきて、それだけでフィヨルドの景色は一変する。
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 小学校高学年か中学年ほどの子どもたちが寄ってきて、学校で英語を習ったばかりだから話したい、英語が出来るのかと英語で聞いてくる。こちらもしょぼしょぼな英語だが、お互いなんとか通じた。思えば、こうやって観光客相手に実践会話を体当たりするくらいのパワーが、英会話教育には必要なのかもしれない。

 帰りのケーブルカーも満員だったが、なんとか撮影した一枚がこちら。
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 どうも、この看板のあたりがすれ違いポイント?それとも、動力なしで動いている?下りはここで必ず停まる?
 傾斜26度だけはよくわかった。

 さて、この日ベルゲンでは、核廃絶・平和アクションのフェスティバルを、地元の団体と学生たちとピースボートの協力で開催することとなっていた。
 そのフェスティバルが行われる、トルゲアルニンメン広場に行ってみると、さてまだ時間が早すぎる。
 広場の行き止まりにある教会へ行ってみる。
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 ドアは閉ざされ、中は見れなかったが、どうも夕方から音楽会をする模様。そういえば、そんなチラシも街中で配られていた。
 教会は小高い場所にあって、振り返ると坂の下に、フェスティバルが行われる広場が見える。
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 途中にはスーパーもあり、公園のような場所もあって、人々がベンチに座ってくつろいでいた。
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 広場に戻ると、まだまだ時間があるようなので、ベルゲンの水族館に行くことになった。
 私は頭痛が戻ってきたのと、あまり金がないのとで広場に残り、少し休むことに。
 他の局員たちを見送って、少しベンチで休み、動けるようになったので、観光案内所や市場を見ながら歩く。地図を見ると、近くに駅があるようなので行ってみた。
 駅と広場の間には整った池があり、噴水が景気よく水を噴き出している。
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 水辺にハトが居るのでカメラを向けると、どうもクチバシが獰猛なのが混じっている。
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 港湾都市では、大概カモメとハトが混じっている。

 さらに歩いていくとベルゲン駅についた。
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 海外の駅の良いところは、改札が無く気軽に入っていける点だろう。特急らしき車体や、ローカル線のような車体が並んで、出発の時を待っていた。
 駅の近くに路面電車のレールらしきものがあったので、何か通るかとポカンと待っていたが、通りかかったのは時々新聞局に記事を書いてくれる女性だけだった。少し話をして別れる。
 池の周囲の公園を歩いていくと、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。
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 フェスティバルも心配だが、水族館組も傘を持っているのかと心配になる。
 広場に戻り、残ったノルウェジアンクローネでまたライトビールでも飲むかと、市場を散策していると、ヘラジカのぬいぐるみと目があう。一度通り過ぎてまた戻り、その目があったヘラジカのぬいぐるみを買い込んで、広場に戻った。
 やがて、水族館組が戻ってきたが、ヨーロッパ一とうたわれたベルゲン水族館も、甚だガッカリ系だったようだ。
 神奈川出身の子がいたので、「もしかして、改装前の江ノ島水族館みたい?」と聞くと、「そうそう!」。
 日本の水族館の水準が高いのか、ヨーロッパの水族館の水準が低いのかは不明である。

 そんなこんなのうちに、フェスティバルの時間が近づいてきた。
 フェスティバル編に…つづく。
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