SSブログ

新聞局ツアーINヘルシンキ~フィンランド・ヘルシンキ~ [寄港地]

 サンクトペテルブルクの翌日はヘルシンキへの寄港で、間に時差1時間という新聞局的にはちょっと大変な寄港地コースだった。
 何が大変って、事前に作る新聞が大変だし、寄港地と寄港地の間髪入れずの間に時差があるのも表示的に悩みどころだった。

 しかしまぁ、それは置いといて。

 ヘルシンキではツアーがない新聞局仲間で回る予定になっており、実は局長も誘いたかったのだが、残念ながらツアーのリーダーに任命され、そちらにいってしまわれた。
 また、ダブリンで下船予定の仲間にも声をかけたが、違う場所に行きたいとのことでこちらもそっちへ行ってしまわれた。

 ヘルシンキのヘルネサアリ港にオセアニックが入港したのは午前10時ごろ。このくらいの時間での入港だと、気分的に楽である。

 新聞局メンバーで集合し、船の外へ。
 一人が折り畳み自転車を持っていくといい、他の人はみな持っていないのになんで持っていくんだ?と疑問に思う。
 フィンランドの港は、土産物屋は一軒あるだけで、あとは素朴な港だ。
IMG_2794.jpg
 港のゲートを出てバス乗り場に行くと、大行列である。
 バスの運転手は定刻になっても満員になってもぎゅうぎゅう乗り込んでくる日本人によほどいらついたのか、とっととドアを閉めて走り去ってしまった。
 まぁ、ラッシュは日本の文化だから仕方がない。
 バス停で乗客整理をしていたスタッフさんによれば、次の便は30分後とのこと。
 歩いて街中へ行くと1時間程度はかかるとのこと。
 別に電車に乗ってどこかへ行くとか、フェリーに乗ってどこかへ行くわけでもないので、気楽におしゃべりしながら待つことにした。
 自転車を持ってきた人は先に行くと言い出したので、時間を決めてそれを5分過ぎたらもう待ってなくても良いと言って先に行かせた。

 しばらくすると、ヒマな日本人がのんびり待っていることを聞きつけたのか、個人バスがやってきた。
 日本ではなじみのない交通機関だが、大型タクシーのようなもので、料金は乗った人個々からいただく。街中まで1.5ユーロだが、タクシーのように場所指定は出来ず、決まった場所を行き来するだけである。
 車内はソファもフカフカで、小さなテーブルがついている席もある。小さな子どもも乗ったが、ご満悦でぐずる様子もない。
 行き先はヘルシンキ市街でも有名な市場とのこと。
 車窓から見ると、ぱらぱらと歩いているピースボート乗船者らしき人たちを見かけた。なんとなくアモイを思い出す。
 バスが止まったのは市場だった。ボッタクリもやや覚悟していたが、そんなことはなく、陽気なおばちゃん運転手さんは、乗客皆から代金を受け取り、再び港のほうへ走り去って行った。
 さて、問題はすでに時間を過ぎまくっている待ち合わせ時間。
 判断は自称他称副局長の私に委ねられたようだ。
 「もう(待ち合わせ)時間はとっぷり過ぎているし、ここから待ち合わせ場所への行き方もわからない。何より、この場所にもう一回戻ってこられるかわからないので、とりあえずここを見学!5分以上待たなくていいと言ったのだから、待っていても自己責任である。以上!」
 私は自分より年下には甘いが、年上には厳しいのである。あえていえば、それは敬老精神とは一応別物である。
 自分より年齢を重ねているならば、それなりの知識と常識と経験を私よりは得ている時間はあっただろう。だからこそ、フンベツやジョウシキが欠如した年上は、個人的には存在しないことになっている。

 さて、散会して数十分自由行動となったので、市場で土産物などを見繕う。
IMG_2797.jpg
 私はムーミンだのマリメッコだのには興味がなかったので、できればトナカイの角の細工物などを買って、土産にしたいと思っていた。
 角の細工物は程なく見つかり、大きな角がついた栓抜きなどもすすめられたが、使いどころとしまいどころが問題だと思って遠慮する。
 結果的に買ったのは、友人用の角先のペンダントや、親類用に角を輪切りにしたキーホルダーなどを買い込んだ。
 同行しているみんながバラバラと戻ってくる中、そのうちの一人と私だけが、妙にくしゃみをしている。
 聞いてみると、花粉症とのこと。
 しかし、自分たちは日本を4月半ばに出航し、花粉症を振り切ってきたはずである。なぜ?
 程なくして、原因がわかった。あちこちにヒノキの細工物が置かれ、ヒノキの良い香りが漂っていたのだが、ヒノキの花粉症患者には悪魔のニオイである。
 振り切ってきたはずの花粉症に追いつかれたような気分で、ややげんなりする。
 市場の近くには教会も見えた。
IMG_2796.jpg
 なにやら古そうでいわくありげな教会だが、そこまで行く元気がない。なにより、街の中心街と反対の方向にあるので、そこはパスとする。
 
 一応、待ち合わせ場所の駅を見てみようということに。
 居たらいたで大問題だが、どうせ自転車を持っているのだし、今頃一人で悠々と走り回っているだろう。
 ヘルシンキはそこかしこに路面電車が走っている。
IMG_2798.jpg
 路面電車より数が多いのはカモメで、まさにハトのようにあちこちにいる。
 銅像の上にもハトのごとくとまっていて、銅像の顔もやや情けないように見える。
IMG_2799.jpg
 どうもこの時点で道に迷ったようで、駅ではなく公園に来てしまっていたようだ。
 仲間の一人が付近のベンチでのんびりしている男性に聞くと、案内を買って出てくれた。
 英語ができる人が通訳してくれたところによると、この人はモロッコから出稼ぎにきていて、もう3年ヘルシンキにいるのだそうだ。英語はペラペラだが、まだフィンランド語にはあまりなじんでいないとのこと。
 この人に連れて行ってもらい、ようやく駅に着くことができたが、無論待ち人はいない。
 ということで、昼食時なのでそのままスーパーまで案内してもらった。どうも、公園沿いや駅近くの飲食店は、観光客向けでお高いとのこと。
 この駅近くのスーパーはデパートのような構造で、引き戸のドアのエレベーターがある。
IMG_2802.jpg
 自分でドアを開けねばならないタイプで、地元民の協力がないと開け方もわからぬ。
 食事を一緒にとろうと誘ったが、ブランチを食べたばかりなので遠慮するよと、しばらくコーヒーを飲みにどこかへ行ってしまった。
 公園沿いには、フィンランドで有名なブランド・マリメッコの店舗やムーミンショップのあるビルなどが並ぶ。
 食後に行ってみたが、やはりブランドは高い。
 案内されている最中だったので、ムーミンショップなどもとりあえず場所だけ確認してスルーする。
 ヘルシンキを案内してもらい、最後にヘルシンキ市民が誇るというヘルシンキ大聖堂へ連れて行ってもらった。
IMG_2805.jpg
 見上げるような階段を登りつめると、白亜の大聖堂がドンと建っている。
 中はちょうど入れる時間帯で、内部は教会独特の香りがする。外観とは反対に木を基調とした内装で、ぽつぽつと祈りを捧げる市民の姿があった。
 案内してくれた男性が、小声で「すごいだろう?」と聞いてくるので、「本当に素晴らしいですね!」と答える。英語の授業を習っていても、とっさにはこの程度しか出てこないのが、先生に申し訳なくもあったが。

 男性と別れ、再び新聞局メンバーだけになる。
 北欧のデザインミュージアムに行ったが、ここは学割が効き、海外の学生証でもOKである。
 実際、韓国の学生は学生証で割引になったようだ。
 しかし、私を筆頭にどう考えても学生とは縁遠いメンバーで、唯一の現役学生も学生証を忘れてきてしまったとのこと。恩恵にあずかれず、通常料金を支払う。8ユーロで、入館章の変わりにシールを衣服に貼り付ける。
 カメラ撮影絶対厳禁とのことで、言語もわからぬ場所でトラブルになってもかなわないので、素直にカメラを預ける。
 ここにはピースボートの「北欧デザインを学ぶ」というツアー客も来ていて、説明の際にはそ知らぬ顔で紛れ込んでしまった。局長がツアーリーダーだったら即座にばれて、正座で反省会クラスだったかもしれない。
 とりあえず、ツアー客と交差しながら全ての展示を見て、さて買い物にと行ってみると、最初に入った土産物屋はあと5分で閉まるとのこと。
 日本のように、お客が居ると店を閉じないで穏便に帰っていただくまで待つということはないのである、ピタリ張り付いてしっかり追い出しにかかり、レジを終えたらすぐ店の外である。
 連れが並んでいるからと説明して、ようやく店内にいることを許可してもらう。
 そんな状態だから、マリメッコもムーミンショップもすでにクローズ。
 夏至前で、日が長い北欧の夜だというのに、買い物系の店は押しなべて店じまい。開いているのは観光客向けのレストランくらいなものだった。
 とりあえず、またしばらく船の中なので、菓子などを買いに昼間案内してもらったスーパーへ。
 私は日本から持ってきた緑茶がなくなっていて、買い足そうとお茶売り場を探し回り、ようやくグリーンティーと読めそうな代物を見つけた。
 レジへ行くと日本のマンガ「ONE PIECE」のフィンランド語版が売られている。ペーパーバックのようなもので、値段も約6ユーロとお高い。
 土産代わりに買い込んで、他のメンバーと合流してから例の公園へ向かう。
 そこで、すこし具合が悪くなったメンバーたちと別れ、とりあえずみんなでオカネを出してトナカイ料理を食べてみようと、観光客向けのレストランに入ったが、とにかく高い。
 トナカイのオードブルを4人で取って食べてみたが、なんともよくわからない食感だったのは否めない。
 その後は船に戻り、私の部屋でエンドレスで流れる「風の谷のナウシカ」を見ながら飲み会。
 出航を見なかったのは、確かこのヘルシンキだけだったような気がする。

 待っていた人は二時間近く待っていたそうで、同行していた新聞局員の一人が激しく文句を言われたとのことで、私は一人フンガイし、後日改めて私に文句が来たところで、前述した理論武装できっちり撃墜しておいた。
 大体、みんなと歩くというのに、自転車を持ってきた時点で私は同行の意思無しと判断していたのだが。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。