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BRAVO TANGO [地球一周の船旅]

 6日が運動会ということで、その日は早めに部屋に戻り、シャワーを浴びてさて髪を乾かそうとすると…
 ものすごいローリング(揺れ)が始まる。
 シンガポールで買ったガラス玉が、台から外れて床に落ちかけるところを、慌てて受け止める。金属のコップは床に落ち、ポットは中身が入っていたせいか辛うじて転倒を免れた。
 自然の波にしてはおかしい。
 ガラス玉を箱に収めて引き出しに入れ、コップとポットは床に置く。部屋には、他に落ちそうなものは無い。
 新聞の記事に、海賊と出くわした時は左右に蛇行して撒くと書いてあったような気がする。
 これがまさにそうではないか?

 時刻は午前0時14分ごろ。

 そして、緊迫した船内放送が響く。
 「BRAVO TANGO!BRAVO TANGO!…」
 聞き取れたのはこれだけで、他はもうスペイン語なのか聞き取れない。

 慌てて髪を乾かして、ドアを開けて外に出ようとすると、隣の部屋の住人の一人が戻ってきた。
 隣の部屋は二人とも地大生で、さっきまでプールデッキにいたが、銃声が聞こえ、クルーから船室に戻るように言われて戻ってきたという。
 銃声?ピース(平和)ボートじゃないじゃん@@;?と思ったのは、平和ボケした日本人らしい思考だったかもしれん。
 「海賊だと思う。一人でも人質になったら、ヤバいから」と語るあたり、そのあたりを学んでいる地大生らしい。
 ほどなく、彼の相方も戻ってきた。話は同じで、上の階にいて、クルーに戻るよう言われたという。
 アドバイスの通りに部屋に取って返したが、ローリングは収まらない。
 私がいた6階は恐ろしいほど静かだったが、5階の住人によると、クルーがライフジャケットを着用して走り回り、まさに生きた心地がしなかったという。

 部屋でベッドに寝転がっていたが、緊迫した聞き取れぬ放送が続き、本を読む気にもならなければ、持ってきた携帯ゲームをする気にもなれない。
 服に着替えておいた方がいいのかと思った0時53分。
 船長名義で、日本語と英語で放送が入る。
 不審船に追いかけられたが、蛇行運転で振り切った。部屋に戻り、窓に近づくなとのこと。
 このローリングでは、部屋から出る気にもならない。

 ややして、ようやく蛇行は収まった。

 後日、この襲撃に関しての発表があった。不審船1隻に追いかけられたが、ギリシャの軍艦が近くにいて追い払ったとのこと。
 なにもこんなビンボくさい船を襲わなくてもいいのに@@;と思ったが、平和船だろうが支援船だろうが、世界一周をしている豪華客船には違いないのだ。
 そういえば、船団組んでいたのに、他の船はどうしたんだろう?
 置いてかれたのかね??(詳しくわからないが、はぐれたか置いてかれたかしたのでしょうな)

 しかし、一番けしからぬことは…

 不審船は二隻で、一隻をギリシャ軍が拿捕。もう一隻は武器を海に捨てつつ逃げられた。
 ということを知ったのは、襲撃の二日後。ネット好きの人がインターネットで報道されていたニュースを見せてくれたおかげで、皆が真相を知ったということである。
 どうもピースボートやジャパングレイスにも、どこぞの政府のような隠蔽体質があるらしい。
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