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太平洋だけ乗船した人 [船上コラム・我思ふ]

 日付変更線の通過が近づいてきたこの日、新聞の乗船者紹介に面白い人が載った。
 太平洋だけ乗船した人である。

 この方は20代後半の好青年で、飛行機を使わない世界一周に挑戦していた。
 一度大怪我をして日本に戻らざるをえなかったようだが、回復後にまた同じ場所から旅を再開した。
 しかし困ったのは太平洋で、これは船か飛行機に頼らざるを得ないものの、どくとるマンボウ航海記の時代(船で太平洋を往復した知人のことが書かれている)のように、太平洋横断のみの船は無い。
 そこにちょうどあったのが、ピースボートの69回クルーズだった。
 職業は株の投資家とのことで、なるほど、それなら世界を回りながら仕事ができる。

 その彼の似顔絵を描くために写真が必要で、記事を書くためにも会わなくてはならなかったが、私は果たしてそんなにうまく捕まえられるかと危ぶんだ。
 記事を書くのは私ではないのだが、その人と手分けして、さらには他の人も巻き込んで大捜索をかけた。
 しかし危ぶむなかれ。
 顔立ちもよく爽やかで人当たりが良い、いわゆる「イケメン」君を船中の女子が見逃すはずも無い。(←年配女子も含む)
 彼はあっさり見つかり、快く取材を快諾してくれて私はほっとした。

 そういえば、ブッカーには彼にそっくりな青年がいて、年齢的にその子の兄ではないか?という疑惑が広がった。
 なにせ、船の中には部屋にこもりっきりの「船内引きこもり」も少なからずおり、私も滅多に見たことが無い人がふらりとイベントに出ていたりすることもあった。
 かなり余談だが、その船内引きこもりを外に出すべく、「船内引きこもり集まれ!」というイベントを主催した人がいたが、思った以上に集まらなかったらしい。
 それを聞いたとある方のご意見「本物の(船内)引きこもりは、あの程度の企画では出てこないよ…」
 話がそれてしまったが、太平洋だけ乗った青年そっくりのブッカーの青年は、何も関係が無いのに兄が居ることになり、隠していたのかと女子たちに糾弾され、挙句の果てに新聞局に「ブッカーの○○君に似た人探してください!」と目の前で言われと、散々な目にあう羽目になった。

 世の中には自分に似た人間が三人はいるというが、ここまで面白い、もとい、特殊な状況下で似た人間が現れたのも、かなり珍しい例なのではないかと思う。
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船旅と環境と [船上コラム・我思ふ]

 この日かどうか記憶があやふやだが、日付変更線を通過する前の夜中のことだった。
 スターライトラウンジから、空の具合を見てみようとデッキに出ようとすると、嗅いだこともないような異臭がした。耐えつつデッキに出れば辺りは霧で、その霧とも靄ともつかないものがその臭いの元のようだった。
 私は生来鼻が人より良いようで、家でも猫の次くらいには異臭に反応する。
 アンモニアとかそういった臭いでもなく、腐敗臭などでもない。焦げや煙などとも違う。化学薬品系の臭いかなにかではないかと思うが、知識が無いのではっきりしない。
 他の人はなんでもないようなのだが、私には耐え難い臭いだったので、そのままラウンジに駆け戻った。
 何度も夜外に出ているが、そんな臭いは初めてで、海域がミッドウェーとアリューシャンの真ん中あたりだったので、なんか化学兵器の実験をした場所でも通っているのではと勘ぐったほどだ。

 船の真ん中あたりにいると臭いはせず、デッキに近づくにつれて臭ってくる。
 私は空を諦め、部屋に駆け戻った。
 部屋は真ん中の通路側なので、幸いあの臭いは追ってきていなかった。

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コイバナ [船上コラム・我思ふ]

 新聞局で新聞の締め切りに頭を悩ませていると、突然企画&PA担当のスタッフさんから紙を渡された。
 何のことかと驚いていると、どうもこの日の夜に行われるオセアニックラジオという企画の、いわゆるラジオ投書となる文章が少ないらしい。
「今、締め切り前なんだけど!」
「忙しいっつの!」
 以上のタメ口抗議は全て却下され、とにかく書くように指示…もとい、お願いされる。
 ブッカーブースをこっそり見やると、GETスピーチコンテストのおかげか誰も居ない。
 GETのスピーチコンテストの最中であるせいか、私は内容を見て内心「Shit!(←使ってはいけないお下品な英語)」と舌打ちした。恋話である。
 世の中で、私が書きにくい案件のひとつである。
 しかし、今は目の前の締め切りが大事で、とりあえずもう一人押し付けられた局員と共に、紙は脇に押しやって、新聞に専念した。

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おりづるランチ [船上コラム・我思ふ]

 正確にこの日なのかちょっと記憶があいまいなのだが、おりづるプロジェクトの水パが開いている、おりづるランチに同席させてもらったことがある。

 それは、新聞局でお昼遅番となり、ほぼお昼時間も終わりに近い頃、私は10階のレストランで席を探していた。
 すると、新聞局員で地球大学生という子が、おりづるランチに誘ってくれたのだ。
 新聞に戻らねばならず、長くはいられないことを告げて、同席させてもらうことにした。

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船内モラルハザード [船上コラム・我思ふ]

 太平洋上で最後のお茶会が開かれ、そのチケットが販売されるとのことで、前回チケットを逃した私を含めた新聞・ブッカー連合は時間と共に皆で交代してブースに駆け込み、スタッフさんに苦笑されつつもなんとかお茶のチケットをゲットできた。
 後でわかったことだが、そのお茶の先生は、私がいた部屋の数部屋先にいた。
 私が通常時間帯、部屋よりピースボートセンターにいることが多かったからというのもあるが、これほどご近所付き合いをしていない一人部屋乗客も珍しいのではないだろうか。
 そういえば、隣の部屋の人と初めて顔を合わせたのも、ちょうどこの頃である。
 そのことを話すと、話した全員に「( ̄△ ̄;)エッ・・?」と呆れられた。
 この日の記事には、ピースボートとジャパングレイスの職員募集記事も載せられた。
 そんな記事を見ると、船旅もそろそろ終わりなのだなという気がしてくる。

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